☆Windows10 で進化する「ユニバーサル Windows プラットフォームアプリ」【Windows Store アプリ Metro アプリ Windows8アプリ iOS Android】
Windows 10 の話に入る前に、
Windows 8 / 8.1 で動作できるアプリの種類について
振り返ってみたいと思います。
*Windows 8.x で動作する2種類のアプリ
Windows 8 で動作するアプリには、
大きく分けて3種類あります。
- デスクトップアプリ = Windows 7 以前でも作動するおなじみのデスクトップ向けのソフトウェア。公式ストアはなく、自由にインストール可能。
-
Windows Store アプリ = Windows 8 で登場した全画面表示が基本のアプリ。Windows Store アプリ、Windows8アプリ、メトロアプリとも呼ばれる。Windows ストアでのみ、公開、配布、インストールできる。
- Windows Phone アプリ = Windows Phone で動作が可能なアプリ。Windows Phone ストアでのみ、公開、配布、インストールできる。
続いて Windows 8 を改良した Windows 8.1 では、
PC とタブレットでしか動作しなかった
「Windows Store アプリ」をさらに発展させて、
PC とタブレットに加えて、スマホでも動作させることができる
「ユニバーサル Windows アプリ」が登場しました。
(ただし、専門的なことを言うと、ある程度共通化できるだけで、
全く同じアプリが PC とスマホで動作するわけではないようです。)
*Windows 10 では、PCやスマホ、その他のデバイスでも同じアプリが動く
Windows 10 では、さらに一歩進んで、
「ユニバーサル Windows プラットフォームアプリ」が登場します。
(Microsoft ではこの種類のアプリを単に「Windows アプリ」と呼んでいます。)
Windows 10では、PC でもスマホでも、HoloLens などの画面を持たないデバイスでも、
すべてのデバイスで共通して「ユニバーサル Windows プラットフォームアプリ」が
動作するようになります
(デスクトップアプリは、PC でのみ動作します)。
分かれていたアプリを配布するストアが統合される予定です。
(Windows 10 で新しくなる「Windows ストア」)
動作するわけではありません。
(デスクトップがスマホやタブレットに出現したりするわけでもありません。)
しかし、同じアプリが異なるデバイス上で動作することは
利便性がかなり高いと言えるでしょう。
*進化する「Windows アプリ」
Windows 7 以前の OS を使っている方はなじみのない
「Windows Store アプリ」や「Windows アプリ」。
以下のような理由であまり好かれてはいないようです。
(アプリの数が少なく、機能がデスクトップアプリに比べ貧弱である
というのもあるのですが…それ以外の機能面の理由として)
-
「全画面表示」が基本で、他のアプリと同時に使うのが不便
-
タッチ操作向けに最適化され、ボタンが大きい
-
メニューバーの「ファイル」ボタンや「閉じる」ボタンがない
要は、デスクトップアプリと操作性が異なることに
不評の原因があったようです。
しかし、Windows 10 では、「Windows アプリ」を
従来のデスクトップアプリの操作性に近づけようとする工夫が見られます。
*ウィンドウ表示が可能に
Windows 8 / 8.1 で全画面表示が基本だった「Windows アプリ」。
Windows 10 ではウィンドウ表示が可能です。
- Windowsアプリの「天気」
- デスクトップアプリの「メモ帳」
の2つのアプリが表示されています。
これまでのWindows 8 / 8.1 のように全画面表示ではなく、
デスクトップアプリのように
任意の大きさでウィンドウ表示されています。
Windows アプリとデスクトップアプリの差が
なくなりつつあることがわかります。
*「終了ボタン」や「最小化ボタン」も
新しいブラウザ「Microsoft Edge」の画像。
実はこのブラウザ、従来のデスクトップアプリではなく、
Windows アプリなんです。
閉じるボタンや最大化ボタンなど、
デスクトップアプリと変わらない機能がついています。
また、Windows アプリはタッチ操作に最適化さているために
「ボタンや文字がやたら大きくて使いにくい」印象がありましたが
タッチでもデスクトップでも使いやすい、
ほどよい大きさになっています。
このように見た目も
Windows アプリとデスクトップアプリの差がなくなりつつあります。
Windows アプリはスマホやタブレットでも使うことができるので、
うまくいけば普及が一気に進むかもしれません。
*同じ種類のアプリが複数個起動できるように
「Windows アプリ」は「デスクトップアプリ」とは違い、
同じ種類のアプリのウィンドウを複数個表示させることはできませんでしたが、
Windows 10 の一部のアプリでは可能になりました。
例えば「電卓」アプリ。
何個も起動させたところで意味があるようには思えませんが、
複数のウィンドウを表示させることができます。
今のところ複数のウィンドウを表示できるのは、
「電卓」だけのようですが、
Word や Excel、PowerPoint が
複数ウィンドウに対応すれば、便利になりそうです。
*その他の「Windows アプリ」の利点
Windows におけるアプリの主役が
従来の「デスクトップアプリ」から
「ユニバーサル Windows プラットフォームアプリ」へと変わろうとしていますが、
「ユニバーサル Windows プラットフォームアプリ」の利点はどこにあるのでしょうか。
先ほど指摘した、
「PC だけでなく、スマホ、画面を持たないデバイスでも動作する」
ということ以外の利点としては、
以下が挙げられます。
- バッテリー消費やメモリへの負担が少ない
- カメラや位置情報などにアクセスさせるか、させないかを「設定」からアプリごとに決めることができる
- サンドボックス内で動作するので、システムに影響を与えない
- Windows ストアから配信するには、Microsoft の審査が必要なので、ウイルスが混入しにくい
- Windows ストアで購入したアプリを一括管理できる。複数のアプリを同時進行でインストール・アンインストール可能(=PC の引っ越しも楽に行える)
つまり、動作が軽く、管理が楽で、安全性が高いのです。
主な点を確認していきます。
*ウイルスが混入しにくい
「Windows アプリ」を配布するには、
Microsoft の審査に合格し、「Windows ストア」に登録する必要があります。
それ以外のサイトでアプリを公開することはできません。
「Windows アプリ」を配布するには審査が必要なので、
悪意のあるアプリが混入しにくいと言えます。
*権限の管理が可能
「設定」の「プライバシー」から
どの「Windows アプリ」にどの個人情報の使用を許可するか
選択することができます。
「位置情報」、「カメラ」、「マイク」、「アカウント情報」、
「連絡先」、「カレンダー」などの個人情報を
アプリに引き渡してよいかどうか
アプリごとに細かく設定できます。
デスクトップアプリでは、こうした設定はできないので、
「Windows アプリ」の方が安全性が高いと言えます。
*インストール・アンインストールが楽
従来のデスクトップアプリをアンインストールする場合、
「コントロールパネル」から1つずつアプリを
アンインストールする必要がありました。
同時に複数のアプリをアンインストールすることはできず、
複数アンインストールを行わなければならない場合、
非常に多くの時間と手間が掛かっていました。
しかし、「Windows アプリ」の場合は
複数のアプリを同時にアンインストールすることが可能です。
「設定」の「アプリと機能」から
アンインストールするアプリを選択して
「アンインストール」を押すだけ。
(この「アプリと機能」には、Windows アプリだけでなく、
デスクトップアプリも表示されます。)
スタートメニューからもアンインストールが行えます。
また、Windows アプリの再インストールも楽に行えます。
デスクトップアプリをインストールする場合、
販売店で買った DVD やインストールメディアを
探す手間がありますが、
Windows アプリの場合は
これまでインストールしたアプリを
「Windows ストア」が管理してくれます。
PC の引越しをする場合でも、
DVD などを探す手間が発生することはなく、
クリック1つで再インストールできます。
*バッテリー消費が少ない
Windows アプリはデスクトップアプリに比べて
電力消費が少なく、メモリへの影響が少ないそうです。
また、専門的なことはわかりませんが、
デスクトップアプリには、古い技術が使われ、脆弱性が見つかることも多いので、
Microsoft としては早い段階で「ユニバーサル Windows プラットフォームアプリ」に移行したいという思惑があるようです。
*アプリの重複も解消へ
現在の Windows 8.x では、同じ種類のアプリなのに
デスクトップアプリと Windows アプリの2種類が用意されているものがあります。
例えば、電卓アプリ。
左が Windows アプリ、右がデスクトップアプリです。
それぞれ若干機能が違いますが、使用目的はほぼ同じです。
他にも、「サウンドレコーダー」や「OneDrive」などがデスクトップアプリ、Windowアプリの2種類用意されています。
(Windowsアプリ(左)とデスクトップアプリ(右)の
「サウンドレコーダー」。)
同じ使用目的のアプリが2種類あるのは、
混乱のもとになるだけでなく、PC のパフォーマンス的にも良いことではありません。
こうした重複したアプリは、
Windows アプリに統合される方向に変わってきているようです。
Windows 10 の電卓アプリを見てみましょう。
全画面表示をすることもできる一方で、
従来のデスクトップアプリの電卓のように
ウインドウ表示で他のアプリと
同時に使うことも可能です。
タッチパネルでも操作しやすいよう、
大き目のボタンが配置されています。
他のアプリについても、
Windows アプリになり、
キーボード・マウス操作、タッチ操作のどちらでも
使いやすいアプリへ変わっていくのではないかと思われます。
そして、現在デスクトップアプリである、プレインストールアプリ
例えば…
- メモ帳
- ペイント
- ワードパッド
なども Windows アプリに変わり、全てのデバイスで共通して
使用できるようになると便利だと個人的には思っています。
また、
- Skype
- Adobe Reader (Acrobat DC Reader)
- Evernote
など、(機能の差はあるものの)
現在デスクトップアプリと Windows アプリが用意されています。
こうしたアプリについても、
Windows 10 がリリースされれば、
開発の重点がデスクトップアプリから
Windows アプリに変わっていき、
Windows 8.x のサポート終了後は、
Windows アプリの方がメインになるのではないかと思っています。
*iOS や Amdroid アプリも動く?
2015年4月から5月に行われた Build 2015 で、
をユニバーサル Windows プラットフォームアプリへ変換する支援策が発表されました。
画像は開発者向け Windows 10 プラットフォームのご紹介より抜粋しました。
実際には多くの手直しが必要となるものの、
既存のアプリのコードを利用して、
Windows ストアからアプリを配布することが可能になります。
(iOS アプリについては、Objective C のみサポート)
また、デスクトップアプリも Windows アプリに変換できるようになる他、
Windows ストアから配布可能になるそうです。
*アプリ以外の Windows10 情報は...